同じ品物であっても、人によって支払ってもよいと思う金額は異なる。マックが200円でも何とも思わないサラリーマンもいれば、100円でなければ買わないという学生もいる。会社としては個人の支払い余力を最大限引き出した方が、支払い余力の低い人を切り捨てるより儲かる。クーポンが良い例で、貧しい人がクーポンを持って来てくれた方が、金持ちだけが高い値段で買ってくれたよりも利益に繋がる。クーポンを考えついた人は天才だ。クーポンをどの程度に設定するかは徹底したリサーチを元に決めなくてはならず、それをしないとクーポンの使われすぎで逆に損をしてしまう。クーポンの目的を顧客囲い込み戦略とか、ついでに他の物を買ってくれるかもしれないからという人がいるが全然間違っている。見るべきは常にボトムライン(最終利益)だ。
同じように、量販店でよく「他店の方が安かったら値引きします」というフレーズを見ることがあるが、これは決してお客様に一円でも安いものを提供しようと思ってやっていることではない。これは大型店舗による弱小店舗に対するある種の脅しのメッセージで、これにより弱小店舗が値下げするのを防いで談合と同じ結果をもたらしている。つまり消費者は結果的に高い値段で買わされているということなのだが、そのことに気づいていない人は結構多い。Niceなフレーズには必ず裏がある。